NICUの治療内容

ハイリスク妊娠
カンガルーケアは生後99日目でした

なんとなくNICUって「何やっているところなの?」と想像ができない方が多いのでは無いでしょうか。個人差はあると思いますが、三女がしていただいた治療内容を思い出しながら記載していきます。入院する週数や病院によっても違うと思うので、参考程度に見てください。

  • 出産直後に呼吸するために気管挿管と人工呼吸器管理と肺のサーファクタント投与、水分や薬剤を入れるための点滴ルート確保、母乳を注入するための胃管挿入、心電図モニター、SpO2モニターを装着する。温度と湿度の管理のために保育器に入れる。このような装置は正常に生きていくのを補助するための装置であり、これらがすべて外れたら退院となる。退院の目安は元々の予定日だが、病状に応じて前後する。
  • 24週だとだいたい生存できるし臓器的に問題は起こらないことが多いが、免疫力は正期産の4分の1くらいしかない。そのため免疫グロブリン(血液製剤)を投与した。
  • 三女はさらに気胸があったので脱気のために胸腔ドレーンを挿入した。その後も新たにブラ(肺の外側に空気の塊ができること。気胸の原因になることがある)ができて、その観察のために連日胸部X線写真を撮像していた。
  • 未熟児は出血傾向が高く、頭蓋内出血が起こることがあるため毎日エコーで観察。また脳出血の予防にアルブミン(血液製剤)を投与した。三女は脳実質に出血はなかったが、小さな左上衣下出血を認めた。「未熟児特有のもので、麻痺などの原因にはならない。脳実質の出血は麻痺などに直結する。」と説明を受け、実際に今のところ麻痺の出現はない。
  • 新生児黄疸(高ビリルビン血症)に対して光線療法。
  • 修正(予定日までお腹の中にいると仮定した場合の妊娠週数)28週になると眼科医による未熟児網膜症のスクリーニングが始まる。異常があればレーザー治療を行う。三女は未熟児網膜症があったが、治療は必要ない程度だった。
  • 修正28週頃になると気管挿管の抜管を検討する。
  • 保育器を出す目安は正期産にあたる37週頃。
  • 新生児貧血に対しては赤血球輸血など。
  • 聴力スクリーニング。三女は一度ひっかかって再検査になり、その後も一旦クリアしたけれど脳波でひっかかって大学の耳鼻科に紹介された。
  • 頭部MRI検査は退院前に1回は行う。ここまで来ると「もう退院かな?」と思っていた。
  • 予防接種は正期産の子と同じように二ヶ月開始。私はロタウイルスの任意接種を希望したが、ウイルスが便から排出される可能性があるため入院中は安全管理上難しいと断られた。そのため退院したその足でかかりつけの小児科に行った。

これらに加えて、オムツ替えとか清拭とか沐浴とか、まぁ至れり尽くせりのケアをしていただきました。「こんなに手をかけていただいて、いったい治療費はいくらなのか?」と目眩がしそうになりましたが、未熟児療育には公費の助成があり、実際にお支払いしたのはおむつ代の実費など1万5千円/月くらいだったと思います。それ以外にかかるお金といえば、母乳パック代とかでしょうか。50枚2000円とか(大きさによってはもっとするかも)毎日のことなので結構負担です。NICUに入院したらそんな心の準備をしておいてください。

また三女は呼吸状態が不安定で、退院後も継続して酸素を使用する在宅酸素療法になりました。これにかかるお金は保険診療で可能で、自己負担はありませんでした。「在宅酸素療法なんて大変!旅行もできないわ…」と落ち込むなかれ。国内旅行なら酸素業者がサポートしてくれて、酸素発生装置などを旅行先に設置してくれます。私も2回ほどお世話になりましたが、それも費用負担はありませんでした。

気管挿管を外せると抱っこ可能になります
カンガルーケアは生後99日目でした
百日祝いにお食い初め膳は持ち込めなかったから絵を描いていきました
保育器を出られたら窓越し面会もできます 姉達の食いつきの良さ!
酸素カニューレは最後まで仲良しでした
その当時ナカムラミツルさんに描いていただいた似顔絵にも酸素カニューレがついています

コメント

タイトルとURLをコピーしました