『沈黙していることは賛同と同じようにみられる』として森喜朗さんの発言を批判する人が後を絶たないが、私はその人達に賛同できないので自分なりの考えを発信したいと思う。
まず、私の経験談になるが、傷つくことを言われると確かに傷つくが、自分の言葉で「傷ついた」と言われることもかなり傷つく。他者を傷つけてしまったことは自分にもダメージとなって返ってくる。その時「そのような意図はなかった。傷つけてしまって申し訳ない。」と謝罪して受け入れてもらえたら安堵するのだが、森さんのこの騒動は一体どう考えれば良いのだろうか。
まず議題になっている発言内容を見て、私なりの所感を述べた。
最終的には組織委員会の女性達を褒めているのに、どこが女性蔑視なのだろうか。女性が話長い人が多いのは事実ですよ。男性は言葉が足りない人が多いけどね!「女性の話が長い」は女性蔑視で、森氏の努力や功績は全て無視して「問題発言が多い老害」と批判するのは問題ではないのか。年長者に対する礼儀も何もなくて気分が悪い。
2021年2月5日のFacebookより
森さんの発言を眺めながら、この発言が生まれた背景について考えてみた。文部科学省からは「女性理事を増やせ」と命令されるが、他の誰かからは「女性が会議に入ると長くなるよね」と言われる…という、森さんの板挟みの苦悩が感じ取れる。そして確かに女性は活発に発言する傾向はあるが、「組織委員会の女性達は皆発言が洗練されているから、欠員が出ると女性を選びたくなる」と、むしろ女性達を賞賛しているように感じた。
森さんが何度も「女性蔑視の意図はなかった」と話していたのも「そうだよね。どこが女性蔑視なのかしら…」と感じた。しかし、感じ方には個人差があることも事実である。これについては産経新聞の阿比留さんの記事が素晴らしかったので引用する。
この発言に対する反応は大別すると3通り。
① 許せない女性蔑視、男女差別
② 問題発言だが、騒ぐほどのものではない
③ よく読むと女性蔑視だとは受け取れない
2021年2月11日の産経新聞より
私は③の立場であるが、多くのメディアは①のみを報じた。ただ私の周りに聞くと②の立場の人が多いような印象である。どのような受け止め方をするかはその人の自由だが、あたかも全ての人が①であるかのように報道しているのは気味が悪かった。
しかし①の人もいる以上、森さんが謝罪会見を行ったのは適切な判断だったと思う。私も後に知ったのだが、森さんは謝罪会見の日、血液透析の治療後でとても疲れていたそうだ。疲労困憊の高齢者を執拗に責め立てて、少し語気が強まった部分だけを繰り返し報道して「最悪の謝罪会見」などと酷評した。私の友人は子どもに「おじいちゃん謝っているのに、どうして許してあげないの?とても疲れているみたい…」と言われて、何も答えられなかったと言っていた。それほどに残酷な報道だった。
無数の森バッシングは見ていて非常に気分が悪かったが、そんな中でも勇気を出して森さんの偉業を発信している人もいた。私は今まで森さんについて特段詳しかったわけではないので、その人達の発信をとても面白く見ていた。一部ご紹介する。
一連の「森喜朗叩き」に呆れている。
「世界中が森喜朗に怒っている」という演出。そんなわけないだろ。イスラム圏で取材したのか? 中国人政治家やロシア人政治家に聞いたのか? 欧米の一部のエリートを「世界中」って言うのをいい加減にやめろよな。
森氏はロシアに信頼されている貴重な政治家だ。嘘がないからだ。
外交分析官の佐藤優氏が大統領になる前のプーチン氏が次のキーパーソンであることを見抜き、鈴木宗男氏とともにパイプ作りに動いた。
森氏は小渕首相急逝後の2000年4月に首相になり、首相としての最初の訪問地にロシアを選んで5月にプーチン氏に接触した。
森氏はざっくばらんな性格の持ち主だった。KGBトップの肩書きに警戒する人が多い中、「森喜朗そのまま」でつきあった。だからこそ、ロシアの信頼を勝ち得たのだろう。
森氏とプーチン氏の二人は、シベリアにある日本人墓地の墓参りに行く。森氏がマフラーと手袋を脱いで祈っている。プーチン氏がなぜ脱ぐのか聞くと、「寒さで死んだ日本人たちのことを思うと、暖かいコートやマフラーや手袋をしてお祈りする気にはならない」と答えた。プーチン氏もマフラーと手袋を脱いで黙祷した。
差別差別と森氏を罵る連中より、森氏のほうが人間的にあるかに上だ。不寛容社会を作っているのはおまえらだと言いたい。
白川 司さんの2021年2月6日のFacebookより
森喜朗さんの後任候補に舛添要一さんの名前を挙げていた方がいたので検索していたら痛快な記事を見つけた。舛添さんが辞任するときも、今の森さんみたいにメディアリンチだったなーと思い出した。舛添さんが東京都知事のままだったら、こんなゴタゴタは無かったのかもしれないと思う。
田北真樹子さん「リオ五輪後に初めてオリパラ選手が一緒にパレードをしたのは森さんの功績。あれは森さんが『パラリンピック終了後に一緒にやろう』と動いたからで、JOCなどから抵抗があっても森さんは実現させた。差別云々言ってる人はこういうことも知ってるのか?」
有本香さん「森さんは7年前に会長に打診された時に『無償なら』と回答。規定で無償ダメだったので一番給料が安いアルバイトの額にし積立て、積立金は寄集め集団だった組織委員会をまとめるための全員参加の食事会に使用&不足分は森さん払いだった」
有本さんは「#森喜朗さんありがとう」の考案者でもある。私もコメントさせていただいた。
ところで私は「女性蔑視ってこういうことだろ?」とブログを書いたが(森さんとは全然関係ないです。すみません…)
森さんを批判している野党のみなさんの問題発言をまとめてくださった人もいました!
http://ichimen.php.xdomain.jp/contents/9e5aa298f21a4a64d5f2a3ee9bc1f198.pdf
そして櫻井よしこさんからのド正論な指摘。森さんの女性蔑視だかどうだかわからない発言を批判するのであれば、中国のウイグル人大量虐殺に対する批判もしてください。今、森さんの批判をしている方が、2022年に北京で開催されるオリンピックについてどのような対応をするのか、注目して見ておきましょう。
さて、最後の挨拶まで「恨み節」だとか切り取られて報道されているけれど、2014年からの振り返りは「あぁ、本当に大変だったんだな」と思いながら読みました。これを機に森さんの著書を読んだのですが、そのずっと前から…2011年3月10日に石原慎太郎さんを徹夜で説得して、その翌日に東日本大震災がきたことなども感じ入りながら読みました。
「誰かが老害、老害と言いましたけども年寄りは下がれというのは、どうもいい言葉ではないので、子どもたちに対する、何と言うんですか、いろんな言葉がございますけども、老人もやっぱりちゃんと日本の国のために、世界のために頑張ってきているんですが、老人が悪いかのような表現をされることも極めて不愉快な話であります。」というのはまさにその通り!
老害という言葉は不愉快だし、不用意な言葉だったと謝罪しても責め続けるのを見るのは本当に嫌でした。子どもには「イジメはダメ」と教えながら、大人達が堂々とイジメていました。
日本の子ども達が世界の舞台を目標にできるように、夢を持てるようにと、森さんが命懸けで頑張ってきてくださったこと、決して忘れません。
森さんの後任選定に難航しているようです。これだけ大変な仕事を引き受けられる方も大変でしょう。でもここまで頑張ってきていただいたことを無駄にしないよう、新会長を全力で応援したいと思います。
東日本大震災からの復興、コロナに打ち勝っての五輪を華々しく迎えたいです。
森喜朗さん、本当にありがとうございました。
#森喜朗さんありがとう
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