ゼロコロナでなくウィズコロナ!

COVID-19(新型コロナウイルス)

佐賀新聞に以下の投稿を掲載していただいた。この原稿を書いたのは2週間前で、佐賀では一時期新規陽性者数が0が続いていたが、また最近ちょこちょこ報告が上がっている。今も「感染者数減少が鈍化した」とか「下げ止まり」とかいう言葉をニュースでよく耳にする。これはゼロコロナを目指している人からすると恐ろしいのかもしれないが、私はウィズコロナを目指しているので、静かに見守ることにしている。

「ゼロコロナではなくて、ウィズコロナを目指そう!」という、私なりの問題提起である。

 全国的に新型コロナウイルスのPCR陽性者数は落ち着いており、確実に収束に向かっている。佐賀県内では一桁台で推移しており、県民一丸となった努力が実ってきたものと考えている。

 ここ最近、立憲民主党の枝野代表が「ウィズコロナではなくゼロコロナ」という主張をしており、それにメディアが追随するような構図に危機感を持っている。菅首相が緊急事態宣言解除延期の会見でも、国会の答弁でも、何度も謝罪していたことにも違和感を覚えている。

 地球上にはウイルスをはじめとして無数の病原体がおり、それらと共存してきたのが人類の歴史である。治療薬もないウイルスに対して、人類が必死に努力したところで、ゼロにすることは不可能だし、目指すべきではないと思う。ゼロを目指すためには他のどんな犠牲を払っても良いなんて非常にアンバランスだし、努力でゼロにできるはずだと思い込むことは人類のおごりではないだろうか。危険なウイルスであってもコントロールできるものであれば共存(ウィズコロナ)は可能であると考える。

 第3波が収束した後も、第4波の不安はくすぶっている。しかし、ようやく人類はワクチンを発明して、我々の不安が軽減する希望が見えてきた。

 日本では医療従事者から接種が始まった。世界的には高齢者からの接種を優先した結果、ワクチン接種後に死亡するケースが報告されたことで、ワクチンそのものを不安視する声もあるが、この判断は難しい。一般的に高齢者は基礎疾患を持っていることが多いし、ワクチンは集団接種が原則であるため、接種の際の移動の負担や、一堂に集まることによる危険性もあるだろう。ハイリスクな高齢者を社会全体で守るために、健康な若者から積極的に接種して集団免疫の獲得を目指した方が良いのではないかと思う。

 私も医療従事者の端くれとして、率先してワクチン普及に尽力したいと考えている。(医師)

2021年2月21日の佐賀新聞より

医療従事者からワクチンが始まった。色々と未確定なことが多く、不安もあるが、とにかく開始できたことに安堵している。

最近ブログでも取り上げたが、今夏に迫った東京五輪を巡って、色々と騒々しい。スポーツ界でも、政界でも、世界中で多くの功績がある森喜朗さんが辞任に追い込まれたことは大変残念だったが、後任に橋本聖子さんが就任したことは頼もしく思っている。大臣の職を辞して、自民党からも離党して、過去のスキャンダルにも正面から反省して、背水の陣で東京五輪実現に向けて全力で努力しようという姿勢が素晴らしい。心から応援したい。

一方で「まだコロナの懸念が消えないのに東京五輪を開催するとは何事か」といった意見も聞く。私は、東京五輪はぜひ開催して欲しいと思っている。もともと東京五輪は東日本大震災からの復興の象徴としようとしていた。2011年3月11日、日本に注がれた世界中からの温かい支援への感謝を込めて、元気な日本を世界に発信したい。それが開催を目前にしての疫病騒動である。一年延期という異例の事態で、今もまだ多くの人が集まることへの恐怖心は強い。でも、だからこそ、なんとか大きな夢に向かって、全国民が奮い立って、五輪を機に元気な日本を取り戻したいと思う。

開催に向けて必死に努力する人達を、悪者扱いしたり、不謹慎だと批判したりすることだけは避けたい。安心安全にどうすれば近づけるのか、皆で知恵を出し合う時だと思う。ゼロコロナを目指してしまうと不可能だと思えても、ウィズコロナなら可能性があると思うのだ。

ゼロコロナではなくて、ウィズコロナを目指そう!

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