面会制限は感染対策に有用なのか?

COVID-19(新型コロナウイルス)

「愛の告白はどの方法でされたいか?」

  1. 直接会って言う
  2. 電話
  3. メール(LINE)
  4. 手紙

個人差はあるかもしれないが、私は直接会って言われたい。次点は古典的にラブレターで「手紙」だろうか…

私は基本的にアナログ人間だ。便利なものは好きで、テレビ電話もメールも使いこなすが、大切な時は直接顔を見て伝えたい。

私のような人は少なく無いのかな…と感じたのがつい先日、Facebookでこの投稿をしたら大反響で、知らない人からもたくさんシェアしていただきコメントやメッセージをもらった。「みんな直接会いたいよね」と思った。

コロナ禍と「面会制限」<上>「延命治療を希望されますか?」電話で迫られた選択…母とは会えないまま | ヨミドクター(読売新聞)
病院・施設で家族が陽性… 顔見ぬまま治療考える  コロナ禍で病院や施設の「面会制限」が続く。情報の共有や十分なコミュニケーションなどケアの根幹が揺らぎ、患者や家族、医療や介護の担い手をそれぞれに追い込んでいる。現場の実情や課題を3回にわたって考える。 「面会禁止」を伝える都内の病院のポスター 母の意思を確かめるため、ジ...

私がこのように「病院の面会制限解除」に舵を切ったのは一年前にある記事を読んだのがきっかけだった。

コロナ感染より帰省やめて親が死ぬ可能性が大きい
「特定の学説は信じず1万人未満の死者は気にするな」(8月1日)のなかでも取り上げたのだが、家族間の感染をおそれるあまり帰省しないとか、施設や病院で面会を断るなど、まったく合理性を欠くと思う。それをFacebookで書いたらいろんな意見も寄せ
正々堂々とお盆に帰省することを呼びかける
お盆に帰省してよいか意見が分かれている。東京都の小池知事は、「この夏は特別な夏として旅行、帰省を控えて頂きたい」といい、安倍首相は「帰省の際は『3密』を避ける、大声で話さないといった基本的な感染防止策を徹底するようお願いしたい」として帰省そ

何の通達があったわけでもないのに、昨年のコロナ禍で全国的に病院が面会禁止していった。その様子を私は傍観していた。医師でありながら育休中だったので、職場の病院の様子がわからなかったのだ。実際のところ私がいない時期、病院では面会禁止にし、佐賀で陽性者数が落ち着いた時に解除していたそうだ。しかしその後夏にかけて第二波でまた制限をかけたところに、私が9月に復帰した。

復帰当初は面会のことに気が回らないくらい病床数が落ちたことが気になり、必死にその対策に取り組んだ。「どうしてこんなにガラガラなの?病院の経営は大丈夫なの?」「だってコロナで…仕方ないです…」「なんでもコロナのせいにするな!!」という会話が何度となく繰り返された。

なんとかしな!!
今日、仕事中に、天空の城ラピュタのドーラが降ってきた。前にも書いたことあるけど、私はラピュタが大好き❤️中でもドーラが大大大好き❤❤❤「40秒で支度しな!」「だてに女を50年やってるんじゃないよ...

入院患者さんが早期退院を望む…それも到底不適切な状況で。何かがおかしいと思った。そのうち「入院してたら家族に会えないのが寂しい」と言う声をよく聞くようになった。入院後に認知症が進行することはよくあるが、その傾向が強くなっているようにも感じた。
幸いその頃は佐賀では新規陽性者数は激減していたことも後押しし、病院の方針を決める会議で「面会と感染対策の両立は可能だ」と強く訴え続けて面会制限緩和の方針となった。

こうサラッと書いたものの、病院としては「病床数が減っている中で、面会再開というリスキーな方針を出すのは…」という葛藤があったことは事実だ。しかしそれを忘れるくらい、面会再開の効果はあった。家族と会えることで患者さんが生き生きしていく姿を見るのは医療者側も励まされた。

実はこの後、第三波の時と第四波の時に面会制限を一時的に行った。緊急事態宣言や蔓延防止が隣の福岡に出てしまうとなかなか全面的に面会を続けることは難しい。実際に病院でクラスターを発生させるのが怖いからだ。ただそんな中でも私なりに工夫したことがある。

  • 面会制限を行う際は「◯月◯日から制限します」と予告して、時間的に猶予を与えること。(逆に制限解除は可能と判断したら可及的速やかに解除)
  • 「医師に呼び出されたら面会可」と特例を設け、家族への定期的な病状説明の際に患者本人も同席してもらう。(透明な衝立などフル活用)もしくは、遠目でリハビリの様子を見ていただいた。(タブレットで動画撮影も利用した)
  • オンライン面会は行わない。機械の操作などに人手が必要だし、そもそもテレビ電話を自力で操作できる人は、既にスマホのテレビ電話で通話しているから。システム準備までしていたのだが「可能なら直接会っていただきましょう」ということで使用しなかった。

ちなみに当院での今の面会ルールはこちらである。

緊急事態宣言が出た地域からは原則お断りしていたが「ワクチン接種していたら可」という文言を加えられたことで気が軽くなった。なにしろ東京など、いつも緊急事態宣言だから…

ワクチンは供給状況に応じて…コツコツと継続している。

このプリント一枚で大半の副反応対策の説明をできて便利。アレルギー歴や迷走神経反射の既往がある方は仰臥位で接種するなど対応を分けており、大きな混乱はない

ところで急に「ワクチン不足!」と騒がれるようになった。それだけ接種したい人も打ち手も増えてきたということ。いい傾向だと思う。
真面目な日本人は「ワクチンを打ちたいけど仕事(学校)を休めない」と言う人が多いので、その点で職域接種はニーズに合っているのかなと思う。学校での集団接種も良いと思う。たまに「職場(学校)で打てるのですが、どうしよう…」と相談されるが「ありがたく打ってもらって!」とオススメしている。

ワクチンでコロナを収束させよう!
コロナワクチンの不安を訴える方が多いので、私の所感を綴ります。あくまで私個人の意見です。毎日臨戦態勢で何十人も打っているのですが、拍子抜けするほど何も起こらないなーという印象です。特に高齢者は、元々注射が苦手な方以外はほぼ反応がな...

さてタイトルにした「面会制限は感染対策に有用なのか?」であるが、私は「限定的」と考えている。確かに感染爆発を起こしているような状況では必要だろう。しかしそこまででない時は、メリットよりデメリットの方が大きい。

感染対策を万全にして短時間面会することが大きなリスクとは思えない。ただ、制限解除には大きな勇気を伴うので、地域や人数などに制限を加えながら開始し、様子を見ながら広げていくのが良いのかなと思う。今年こそはお盆に帰省して、久しぶりに親類と会える人が増えますように…。私も関西へ遊びに行って気兼ねなく宝塚見たいぞー!!

【追記 2021年7月30日】※ 近隣の福岡が蔓延防止重点措置となる見通しで、ルール変更しました!地域の制限を無くし、ワクチンを打った人を優遇します。みんなワクチン打ってくださいね!

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