ごみステーション奮闘記

ろんだん佐賀

以前もごみ問題について力説したことがあるが…

実家の前がごみステーションなので、ごみ不法投棄問題は悩みの種だ。実は何年も前から「ごみ出しルールについて新聞投稿しようかな?」と考えていたけれど、毒を吐いてしまいそうだから自粛していた。それにごみ出し問題ってご近所付き合いでもあるから、ズバッと指摘はしにくい…💦

ただ、ろんだんのネタを探す過程で「ええい!書いてしまえ!多少は愚痴っぽくなっても仕方ない!」とヤケクソ気味に書いたのがこの記事だ。愛国心あふれる私にしては珍しく?日本に対して自虐的な気持ちにもなった。

全ての人に理解してもらえるとは思わないけど、ごみステーションの管理をしたことがある人なら、きっと共感してもらえるのではないかなと期待している!


2022年9月25日 佐賀新聞

ごみステーション奮闘記  まずはルールを守ることから

日本は先進国と言われているが、ごみに関しては後進国かもしれない。アフリカではプラスチック袋の使用だけで罰金などの厳しいエコ政策を実施している国がたくさんあるが、日本ではレジ袋有料化だけで精一杯だ。それとて、ごみ捨ての際に困るから、結局は買う人が多く、実際に使用量が減っているのか疑問だ。

私の実家はごみステーションだ。と言っても、囲いや看板があるわけではなく、付近の住民の暗黙の了解として、ゴミ収集日に我が家の目の前にゴミを置くというルールだ。ごみ収集日に家の前には一時的にごみが山積し、さながら「ごみ屋敷」のようになるが、収集車の通過後は綺麗さっぱりなくなるのだ。不法投棄さえなければ。

ごみの不法投棄とは、なにも家電を山奥に捨てるばかりではなく、毎日のように全国のごみステーションで起こっている。ごみ出しの日時や指定袋の間違いにより、収集車の通過後もポツンとごみが残っている。不燃物や資源物は隔週なので収集日の勘違いが多く、可燃物(燃えるごみ)は毎週のことなのだが、出し方が悪いとカラスの襲撃を受けたり、臭いや虫、火災の原因になったりする。

私はずっと不法投棄と戦ってきた。不法投棄を発見後、市に相談したら「収集車は一回しか回れない。次の収集日まで置いておいて。そのうち間違えた人が取りに来るかも」と言われたので「出した人は持ち帰って」と貼り紙をしたが、応じてくれる人はごく一部だった。

ルール遵守を呼びかけるポスター作成、鏡や監視カメラの設置など思いつく限りの対策をしたが、特効薬はなかった。警察に「監視カメラに捨てた人が映っている。掲示して良いか」と相談したこともあるが「逆恨みされてしまう可能性がある」と止められた。普段見かけない人が映っていることもあり、わざわざ遠くまで不法投棄に来ているのかと気がめいる。つい最近も資源物と不燃物を一緒くたに放り込まれていたため、何週間経っても回収されず、ずっと家の前に居座っていた。まったく、家がごみステーションなんて貧乏くじではないか。泣き寝入りは数え切れない。

しかし、あえてメリットを挙げれば「ごみ出しが早いこと」であろう。朝の忙しい時間帯に遠くまで捨てに行くのは大変だが、それが家の中から外に持ち出すだけ、ほんの一瞬で終わる。家に小さい子どもがいても安心だ。「他の市町村のように、各家庭の前にごみ出しするようにしては?」と市に提案したこともあるが、集落が密集していない地域では回収が非効率なので現実的には難しいとのこと。自宅がごみステーションであれば、ごみ問題を他人事とは思えなくなるのに…残念だ。

そんなわけで「一番身近なごみ出しすら満足にできない日本人に、高尚な環境問題なんて言っても理解できるか!まずは学校でごみの出し方を教えろ!」とやり場の無い怒りを抱えていたが、ついに先日、数週間も放置されていたごみを出した人が持ち帰ってくれてホッとした。「地域の環境美化に貢献している」という誇りを胸に、ごみステーションの住民は踏ん張っている。まずは自分にできることから、ごみ出しのルールを守ることから始めよう。

2022年9月25日 佐賀新聞

ちなみに本文中に佐賀市の職員や警察とのやり取りが出てくるが、彼らの名誉のために追記すると、本当に現場の方々は一生懸命に対応してくださる。

この投稿のアイキャッチ写真の「ゴミ出しのルールを守って」という立て看板は佐賀市の職員さんが作ってくれたものだった。原則はゴミの回収は一回と決められているので次の回収日まで置いておくしかないが、台風の予報が出ていた時は「散らばったら危険だから」と特別に回収してくださり、臨機応変な対応に感動した。

また警察も、我が家の敷地内に可燃物がゴミ袋ごと放り込まれる悪質なケースが続いた際は、不法投棄が起こる時間帯に私服警官が早朝から張り込んで現行犯を確保してくれたこともあった。精神的に追い込まれていたので非常に嬉しく、心強かった。それを機に監視カメラを設置したが、監視カメラの映像で犯人を特定してもその後の扱いが難しいことを諭された。おかげで我が家は誰も危険に晒されることなく今日まで過ごしている。

ゴミ問題は多岐にわたるが、私はまず身近なところから考えてこの記事を書いた。今日もまた、日本のどこかでごみステーションで頑張っている仲間達に向けたエールでもある。

コメント

タイトルとURLをコピーしました