多子育児をご一緒に

ろんだん佐賀

ろんだん佐賀、色んな方から「お子さんとの話を書いてください」とリクエストされました。その方々の期待に添えたかどうかはわかりませんが、こんな記事を書いてみました。

2022年11月6日の佐賀新聞より

『みんなで支えよう、楽しもう 多子育児!!』

 「仕事をしながら4人も育てているの?」と超人のように扱われると違和感がある。私はもともと子どもが得意な方ではなく、そもそも結婚願望も希薄だった。そんな私が今や4児の母である。人生はわからない。

 育児は「産んだら終わり」ではない。初めてのことに戸惑ってばかりだ。「自分の無力さ」を思い知らされる場でもある。独身の頃までは簡単にできていたことが、子どもに妨害されるので驚くほどはかどらない。このギャップに産後しばらくは落ち込み、不安定になった。仕事で当直や待機はきつかったけれど、オフになれる時間もあった。育児は24時間365日連続勤務のようなもの。「誰か代わって」「もう逃げたい」と何度も思い詰めた。「良妻賢母」「三歳神話」など、新米ママを追い詰める言葉はいくらでもある。

 私にとっての転機は三女の出産だった。三女は在胎24週に706gで生まれてNICU(新生児集中治療室)に5ヶ月間入院した。こともあろうに私はそのころ離婚した。3歳と1歳の子を抱え、さらには常に酸素吸入が必要な0歳児を抱えたワンオペ育児に気が狂いそうになった。

 「上の子2人の保育園、どうやって送迎したら良いの?」と頭を抱え、入院先の医療相談員に「毎日の送迎の間、訪問看護を利用したい」と言うと「三女をケアできる看護師の派遣は困難だ。逆に上2人を送迎してくれる人を探したら?」と提案された。私の両親は近くに住んでいるが就労しており、日常的に頼るのは難しかったので、家族以外に助けてくれる人を探そうと考えて佐賀市のファミリーサポートを利用することにした。育児経験者の方が毎日来てくださるようになり、その安心感は驚くほどだった。保育園にも通園できるようになった。

 私は4人とも0歳児から保育園にお世話になって働いていたが、保育園だけではカバーできない時間帯や問題は意外とある。ファミリーサポート以外にも、ベビーシッターや友人や近所の方や病児保育など、様々な場面で様々な人に助けてもらった。一人ではどれだけ頑張ってもどこかで限界がくるが、他人の助けを得られれば不可能も可能になる。

 1人目の育児に奮闘している方から「4人なんて信じられない」と驚かれることが多いが、子どもの数に相乗して大変かというと、そうでもない。自分自身も育児に慣れてくるし、子ども同士で遊ぶので、むしろ楽になった面もある。産める人はぜひ、2人目や3人目に挑戦して欲しい。

 昨年の合計特殊出生率は1.30。昔は兄弟が10人以上という話も聞いたが、今は1~2人が多い。ベビーブームの頃は出生数269万人を越えていたが、昨年はなんと81万人と過去最少を更新し、今年はさらに減る見込みだ。少子化の勢いが止まらなければ、日本という国はいずれ消滅してしまうだろう。

 とは言え少子化問題は、女性の頭数から「何人産めば良い」と計算するような単純なものではない。妊娠出産は、ご縁や体質など自分自身の努力ではどうしようも無いこともあるからだ。でも無事に生まれたら、社会全体で子どもを育てる空気を醸成したい。私がお世話になったファミリーサポートはサポートの担い手が常時不足している。余力がある人はぜひ担い手になって欲しい。大先輩の少しの手助けが新米ママの大きな力になる。そうやって社会全体で支えることで「もう1人産もうかな」という選択肢も出てくると思う。

2022年11月6日の佐賀新聞より

この記事で紹介したファミリーサポートは、以前に利用していることをテレビで公言したら、沢山の反響をいただきました。

私は「在宅酸素療法の三女をみてくれる人」を探していたけれど実際には難しかったので、医療相談員の方に「逆に上2人を送ってくれる人を探しましょう」と提案された時は目から鱗が落ちました。そんなサービスがあって、自分が利用できることにすら気付いていませんでした。離婚して心細かった頃でしたが、家族以外の人に助けを求める意義を身を持って学びました。

ちなみに視聴者の方から「ファミリーサポートって利用したいけれど、利用するには金額が高いのよね…」と言う声もありました。確かに一回の利用料金はそこまで高くないですが、毎日使うとなるとけっこうかかります。

政府が子ども手当で現金で渡すか?クーポンで渡すか?みたいな話がよくあるけれど、こういうサポートサービスを何回まで無料で使える…とかも、アリなんじゃ無いかな?と思います。現金支給は便利なようで、たとえば配偶者にDVを受けていて子ども手当の振込先も握られているようなケースでは、現金支給では育児に使われずに持ち逃げされる危険性もあります。また産褥期はしっかり休むことが必要だから、強制的に使ってでもママにはしっかり安静を取ってほしいです。産褥期に無理すると、一生身体に響きますから…

ちなみにファミリーサポートを使えない理由の一つに「必要なときにサポートの担い手がいない」ということがあるそうです。サービスを使いたい人はいるけれど、サービスを提供出来る人がいないと機能しないシステムですからね…。そんなわけで、新聞上でサービスの担い手を呼び掛けてみました。


そして私が敢えて「子どもは得意じゃ無い」と書いたのは「子どもが嫌いでも子ども作ってみよう!」という事を主張したかったからです。原稿を覗いた長女が「ママは子どもが好きじゃ無いなら産まなければよかったのに」と怒ったように言うので「子どもは苦手だったけれど、自分の子は大好き♡♡♡」と言うと妙な顔をされました。これって私だけかもしれないけれど、一般的な子どもと自分の子は全然違って可愛いし、自分の子で子ども嫌いを克服した後はよその子も可愛くなる(笑)いまや赤ちゃんの泣き声が聞こえようものなら「この可愛い声の主は誰っ?」と探しちゃうくらいです(笑)


また、こういうことを書くと反発が起こるかな…と悩ましいですが「産める人はたくさん産んで」と呼び掛けることもある程度は必要ではないかと思っています。一歩間違うとセクハラと言われてしまうご時世ですから、昔みたいに「子作りに励め」なんて滅多に言われなくなりましたが、それはそれで「子作りのタイミングを逃す」という弊害もあると思います。

ちなみに私は色んな人から頻繁に「4人も5人も変わらないでしょ?」「次はまだ?」みたいなことを言われます。みんな私にはセクハラにならないと思っているのか…(苦笑)まぁ、それを煽るような投稿しすぎたかな…

ちなみに私は2人目を作りたいと思ったのは、長女が保育園で自分より小さい子を可愛がる様子を見てからでした。長男も小さい子をめちゃくちゃ可愛がっているけど、まぁ従妹もいるからいいかな?と思っています(^^)

可愛い従妹と

それでは皆様もぜひ…多子育児をご一緒に!!

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