長女の美和が「私美容師になる！ママみたいに医者にはならないからね！だから明日の理科の授業はサボる」とか言うから「は？ふざけんな。パーマのジスルフィド結合と寝癖の水素結合の違いも分からねー奴が美容師になれるわけないやろ。美容師を舐めるな！」と怒ったら
「は？ママの屁理屈よ！」とか言うけん「ママのお友達にはね、うどん屋の息子がおるけど、その子はお父さんに『うどんを作るには数ⅢCを勉強しなければいけない』と言われたのを素直に守って勉強して、結局医者になった奴おるぜ」って言ったら「そんな人おるわけないやろ！名前言ってみろや！」「江島健一郎」って言ったら黙った。勝った（笑）
知らない人のために説明すると（てか知ってる人の方がレア？）
江島健一郎は私が小学校・中学校（学習塾も）・予備校・大学…と足掛け16年の青春時代を共にした幼馴染で、実家はうどん屋さんでした。そのうどん屋のお父さんがめちゃくちゃ優しくて、会うたびに「まりちゃん！」と声をかけてくださるので、怒るイメージが全くなかったのですが、ある日江島が「お父さんに数学勉強しろって怒られた。うどん作るのに数学がいるらしい」みたいな話していて「はて…？まぁ私はうどん作れないからなぁ、お父さんが言うなら必要かなんじゃない？」とテキトーに流していたわけです。
そんな話を江島に報告したら…
いやマジで！毎日の気温や湿度で粉の水分量が変わってくるから毎日同じ味を作るのは大変だと映画『UDON』でも鈴木京香様が言っていたわ…！
まぁ私は「〇〇になるから〇〇しなくていい」とか「〇〇なんて将来なんの役にも立たない」っていう考え方が嫌いなんよ。「何の役に立つかわからないけど、なんか面白そうだから勉強してみよう」の方が楽しい人生が待っている気がする！
私も医者になってみて、こんなに書類仕事が多くてひたすら文章書く場面が襲ってくるほど文系とは知らなかったし、まさかこんなに歌うことになると思ってなかったし、こんなに走るとも思ってなかったし、経営するなら経済学の知識もいるし、パソコンの資格があろうと無かろうと電子カルテは使わなければいけない。患者さんや家族とのやりとりは心理戦だったりするし、それ以前にコミュニケーション能力が欠落していたら何もできない…。そのためには国語力だけじゃなくて道徳とか、地理とか、歴史とか体力とか！まぁ色々いるわけです。
さて、江島健一郎の威力で一時は黙りこくった娘がまた反論してきました…（笑）
- 娘「美容師になるのに算数はいらない！」
- 私「甘ったれんな！美容室を経営するのに金勘定もできんでどうする？」
- 娘「ヨウ素で染めるのが何の役に立つのよ？」
- 私「ヨウ素がデンプンに反応して紫になることを知らない奴が、髪の毛を綺麗な紫に染められると思うか？化学変化と色彩の教養が無い人はカラーリングできません」
- 娘「台風の発生は美容師に関係ない！」
- 私「湿度が高かったら癖毛は膨らむことも知らずにスタイリングが出来るわけないでしょ？それに台風の天気図も理解出来なかったら、美容室を開店していいのか閉めるべきなのかも判断できない。美容師に必要な知識です！」
- 娘「草木の成長が、とうして美容師に必要なのよ？」
- 私「ヘナとか草木から染色することもあるやん。自分が仕事で扱うものを知らないって怖くない？」
- 娘「…もういい！次に髪切り屋さんに行った時に美容師さんに聞くもん！」
- 私「あぁ、聞けば良いよ。きっとご存知だから。わかったら変な御託並べていないで、さっさと勉強しなさい！」
と言ったら、悔しそうに理科の宿題を始めました。うん、それで良いのだ（笑）
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