医者と母親の不養生

診察室から

本日の佐賀新聞の「診察室から」に掲載していただきました♪

2025年3月8日の佐賀新聞より

医者と母親の不養生

 「食い尽くし系」という言葉がSNSで話題だ。出産等で入院している妻の食事を夫が食べてしまうとか、家族のために作られた料理を他の人への配分を考えずに食べ尽くしてしまう人のことだという。

 食いしん坊の私からすると、許し難いが、こういう場面で母親は犠牲になりがち。私も食べ盛りの子ども達と暮らしているので「あれ、ママの分は?」「食べちゃったよ!」なんて日常茶飯事だ。母親は家族の健康管理に必死でも、自分には無関心になりがちだ。

 「医者の不養生」に「鬼の霍乱」。元気な(イメージのある)人が体調を崩す意外性を表現する言葉を聞くと、つい一言物申したくなる。医者も母親も突き詰めればただの人。自分を過信せずに健康管理するしかないのだ。

 私は第一子の出産直後から「母親は病気できない」と自分を追い詰めていた。母親はいつも家族優先で、自分が体調不良なことに気付かない。いや、気付かないフリをして、自分に鞭打って動き回ってしまう。母親が体調不良になる時は、いよいよ気力だけではどうにもならなくなった時で、腹を括って療養するしかないのだ。

 ところで、感染症予防には手洗い、うがいが有効だが、これには清潔な水が欠かせない。日本で上水道と下水道が整備されたのは1958年以降、発展途上国などにはまだまだ下水道が整備されていない地域もあり、死因として嘔吐下痢症からの脱水症が多い。地震などの天災でライフラインが遮断された環境下では感染症が蔓延するのも、水環境による影響は大きいだろう。

 安全な水環境にも定期的なメンテナンスが不可欠であるように、元気印だと思い込んでいる自分のメンテナンスも忘れてはいけない。これからも肝に銘じて過ごしていこうと思う。

2025年3月8日の佐賀新聞より

 実は年末からインフルエンザAに嘔吐下痢症に、ずっと体調を崩していました。さらに、軽い気持ちで受けた看護学校の講義が未熟な私にはとてつもないプレッシャーで疲れ果てていました。そんなわけで、2月はずっと調子を崩していました。体調不良って良くないですね。気が滅入ります。「もう全てがどうでもいい」って気持ちになりました。運動する気も起こらず、入会して初めてスポーツジムをまるまる一ヶ月サボってしまった…(月会費が高額だからできるだけ行くようにしていたのに)

 そんな中、ほぼゼロ練で挑んだハーフマラソン。体調不良に練習不足はキツかったけれど、なんとか完走できたことで「私もまだまだ出来る!」と強制的に切り替える良い機会になりました。翌日はバスケットボールもする羽目になって、なんかもう筋肉痛とか言ってられなかった(笑)


さて、そんな体力気力ともに低空飛行だった2月に、新聞の寄稿はなかなか負担でした。『診察室から』ってコーナー名から、医者らしい投稿を求められているのに「その医者がボロボロに体調崩していたら医者の不養生も良いところだろ…」とセルフ突っ込みをかましつつ、書いたのがこの記事です。

ただね、原稿段階では、本当にうまく書けなくて、長ったらしい文章でした。体調不良に加えて、最近では埼玉の道路陥没事故をはじめ、下水道の老朽化による事故が続き、大きな衝撃を受けていたこともあり、上水道下水道について考えを巡らせていたことも盛り込んだのですが…。担当の編集者の方から「長いからこちで削りました」と連絡があり、スッキリと校正してもらえて良かったです。もともと自分の文章に手を加えられるのが苦手だが、今回は削ってもらえて良かったな~と思ったし勉強になりました。ありがとうございました!!

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