佐賀新聞の「診察室から」にHPVワクチンについて書きました!

夏休み、HPVワクチンを接種しよう
がん治療の進歩は目覚ましい。十数年前は分子標的薬や定位放射線治療などが最前線だったが、今や遺伝子改変細胞免疫療法や重粒子線治療なども珍しくない。治療成績も向上した。それでも、一度がんになってしまうと厄介だ。理想は、がんになる前に原因を取り除き、がんの発症を阻止すること!
子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の接種率が高まるとともに子宮頸がんの発生率が大きく下がってきたことが欧米で報告されている。6月17日に専門誌Lancetに、イギリスではHPVワクチン接種率が高い世代では子宮頸がんによる死亡率がほぼゼロになったことが報告された。素晴らしい成果だが、残念なことに日本ではこのHPVワクチンの接種率が非常に低い(欧米8割、日本は3割)。最近の統計でも毎年1万人が診断を受け、2700人が死亡している。世界中で子宮頸がんの撲滅が進む中、このままでは日本の風土病になるのも時間の問題だ。
一般にワクチンによる予防効果は5割程度だが、HPVワクチンは9割以上の効果が期待できる。自費で接種すると約10万円と高額だが、定期接種の対象者(小学6年生から高校1年生までの女性)は無料で接種できる。私の長女も6年生に進級と同時に接種した。我が子が接種する年齢になって、この年代の子は非常に多忙だと実感した。学校に部活動に習い事に…両親共働きなら病院への付き添いも難しく、反抗期も始まる。若い健康な子にがんの話をしても、自分事としてピンと来ない。「若いうちに接種するのが一番効く。早く打とう!」と多くの人に声をかけたが「高校1年生までに打てば良いならまだ時間あるし…」と先延ばしにする人のなんと多いことか。
もうすぐ夏休み。普段は忙しい方も、1回だけでも打ちませんか。思い立ったが吉日!当院でも接種可能で、相談にも乗ります。ぜひ行動を起こしましょう。
この記事を書こうと思ったキッカケは「まだHPVワクチンの接種率って3割なんだ…」と思ったことでしたが(我が家の中ではワクチン接種率100%だからね)、最初の原稿が過激だとか過剰表現だとかでNGになってしまい、イライラしながらも書き直しているうちにLancetの記事が出たので、結果的に最新情報を盛り込めたので良かったのかもしれません。
診断者数、死亡者数は年によって微妙に違いますが、こちらのデータを参考に書きました。

「診察室から」は字数制限が厳しいので、書きたいことを全部書くわけにはいかない部分があるのが毎度ジレンマですが、その中では私にしては書けた方だと自負しています…
ところで、同時期に某社の社内報に寄稿しないかというお話をいただき、テーマは自由だったので、新聞で書いた内容に加えてワクチン全般について書かせていただきました。
防げる病気は防がなきゃ!!~ワクチンを味方につけよう~
日本国内では麻疹(はしか)の報告数が過去最大級のペースで急増しています。麻疹ワクチンは全国的に品薄になり、現在も不安を抱えている方は多いでしょう。奇しくも私は、麻疹を機にワクチンに興味が湧いたことを思い出しました。
私がまだ幼かったころ、妹が麻疹に罹患しました。妹は幼少期に熱性痙攣を発症し、その後一年間(現在は3ヶ月程度に短縮)はワクチン接種を控える必要があり、麻疹ワクチンの接種機会を逃していました。40℃にも及ぶ高熱に何日間も苦しみ、妹が泣きながら「私、もう死ぬの?」と言った時は、心配で胸が張り裂けそうでした。しかし、そんな妹のそばにいた私は無症状。「これがワクチンの力なのか」と強烈な体験でした。
ワクチンが開発されている病気は、発病してしまえば根本的な治療法が無かったり、重篤な後遺症を残したりする恐ろしいものばかり。強烈な病原体に対して我々は無力です。自分の自然免疫の力を鍛えようと健康的な生活を送るのは素晴らしいことですが、それだけを過信しない方が良い。病原体に感染する前にワクチンで免疫を強靭化しましょう!
私には4人子どもがいます。毎日ワンオペ育児で働いているので、子どもの病気による欠勤は極力回避したい。だから出産後、母子手帳と睨めっこしながらワクチン接種計画を立てて完遂しました。また追加接種等は、毎年のインフルエンザ予防接種の際に確認し、漏れていたら一緒に接種します。最近では長女が6年生に進級した際に子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)を接種しました。がんを防げる画期的なワクチンです。がん治療の進歩は目覚ましいですが、一度がんになってしまうと厄介です。理想は、がんになる前に原因を取り除き、がんの発症を阻止すること!!6月17日に専門誌Lancetに「イギリスではHPVワクチン接種率が高い世代では子宮頸がんによる死亡率がほぼゼロになった」ことが報告されました。素晴らしい成果ですが、残念ながら日本ではこのHPVワクチンの接種率が非常に低い(欧米8割、日本は3割)。最近の統計でも毎年1万人が診断を受け、2700人が死亡しました。世界中で子宮頸がんの撲滅が進む中、このままでは日本の風土病になるのも時間の問題でしょう。
一般にワクチンによる予防効果は5割程度ですが、HPVワクチンは9割以上もの効果が期待できます。自費接種は約10万円と高額ですが、定期接種の対象者(小学6年生から高校1年生までの女性)は無料で接種可能。我が子が接種する年齢になって、この年代の子は非常に多忙だと実感しました。学校に部活動に習い事に…両親が共働きなら病院への付き添いも難しく、反抗期も始まります。若い健康な子にがんの話をしても、自分事としてピンと来ない。「若いうちに接種するのが一番効く。早く打とう!」と多くの人に声をかけましたが「高校1年生までに打てば良いならまだ時間あるし…」と先延ばしにする人のなんと多いことか。周りに対象者がいたらぜひ声をかけてください。当院でも接種可能で、相談にも乗ります。もちろん他のワクチンにも対応します。全力で人生を謳歌するためにワクチンを味方につけてください。
なお「接種率を上げるにはどうしたらいいかな」と思って、佐賀市役所と佐賀県庁に連絡したのです。「コロナの職域接種のときみたいに県庁など解放とか、学校での集団接種もできませんか」と言う感じで。色々行政も答えにくい部分はあったと思いますが、それぞれにいただいた回答の抜粋はこちらです。
佐賀市役所より(メールした翌日とかに電話がかかってきて、スピード感にビックリした!)
未接種者にハガキでのお知らせを実施している。今まで小6、高1で発送していたが、今年度から中2でも発送するようになった。中学2年生で打つと接種回数が2回で済むので(素晴らしい!!!)
佐賀市スーパーアプリで未接種者に通知するのは難しいが、ミニアプリで子育て情報を発信しているので、そこで発信することができないか担当者に指示した。
学校での集団接種は副反応などの対応が難しいとか、接種しない人に対しての風当たりが…などで、現行の予防接種法では実施できないような状況(厚生労働省!なんとかして!!!)
佐賀県庁より(返事は時間がかかったけど、関係部署に確認してくださった努力の跡が滲んでいた)
従来、被接種者の住所地である市町の医療機関でしか接種できなかった定期の予防接種について、市町の枠を超えて接種できるよう、平成18年度から定期予防接種の広域化に取り組んだ(※HPVワクチンは、平成25年度から広域化の対象)(←これについては私も当院職員の接種について某市に抗議して対応していただいたことがある。利便性の向上は大切!若い世代は進学や就職で地元を離れることも多いので)
コロナのときのような職域接種のような集団接種は慎重な検討が必要であり、現時点で予定はない。
そんなわけで、いろんな方が接種率向上のために尽力してくださっていることを心強く感じながら、私もできることをやっていこうと思います!!!



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