アレルギーとリスクマネージメント

医学ネタ

土日になると保育士さんの偉大さが身に染みます。朝から晩まで子供の相手をするのは重労働です。最近は子供の寝かしつけに苦戦し、夜泣きに振り回され、早朝覚醒のために自分の時間が皆無と言う日々なのですが、保育園に送り出した時の解放感と言ったら…!

私が思いっきり仕事に集中できるのは間違いなく保育士さんのおかげです。

そんな保育士さん達から「アナフィラキシーショックについて教えて欲しい」とリクエストされたので講演しました。私は救急専門ではないけれど…と一瞬躊躇したけれど、いつもお世話になっている先生方のお役に立てるなら勉強しなければ…!!!

厚生労働省が出した食物アレルギーのガイドライン(保育園用と学校用があります)を読み込み、自己アドレナリン筋注の練習キットを準備してお話させていただきました。

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今日お話ししたのは「食物アレルギーの即時型でアナフィラキシーショックを起こしたときの対応」がメインでしたが、それに付随して免疫力の定義(非自己への攻撃)や、事故を起こさないためのリスクマネージメントについても話し、実際に対応している先生方の実践経験などを聞いて双方向のディスカッションになったので、私自身もとても勉強になりました。具体的にQ&Aで綴ると…

Q  小さい子供のクラスほどアレルギーを持っている子が多いように感じる。30人中9人もアレルギーがある子がいる。

A  子供のアレルギーは乳児期は10%、幼児期は5%、学童期は2%と言われている。乳児期にアレルギーが多いのは、腸管の発達が未熟と言う影響もあるので、成長とともに食べられる物が増えるということも言える。小さい子ほどアレルギーは多いのは当然と言えば当然だが…多いですねー!!!

厚生労働省のガイドラインより

Q  食物アレルギーに対する指示が人によってまちまちで難しい。卵そのものはダメだがつなぎはOKとか…どういう風に対応したら良いだろうか。

A  厚生労働省が明確にガイドラインを出しているが、アレルギーのある食物を完全除去もしくは解除(除去しないこと)の2択にする必要がある。そうでないと調理スタッフなど現場の混乱を招くため、そこは保護者や医師の言いなりではなく保育園側として指針を決めるべきこと。

厚生労働省のガイドラインより

Q  アレルギー発症時の対応について、児のかかりつけ医から苦情を言われて困惑した。

A  アレルギーを持っている子については、平時にかかりつけ医と連携しておく必要があるだろう。どんなに注意していてもヒューマンエラーは起こる。もし発症した時のために抗アレルギー薬を事前に処方してもらっておいて預かっておくなどの対応を決めておき、平時のうちに良好なコミュニケーションを図っておくことが望ましい。(←と、言いながら「医師側も気をつけよう」と思った)

Q  小さい子などに多いが「今まで食べたことがなかったからアレルギーがあると知らなかった」と言われて、保育園で初めて食べてアレルギーが発生することがある。

A  保護者が既知のアレルギーを自己申告するのは大前提だが、初めて食べる食品を保育園で食べることはそもそも避けたい。「食べたことがあるものリスト」の提出を義務付けてはどうか。(←これは「保護者側への教育が必要では?」と思った)

厚生労働省のガイドラインより

Q  食物アレルギーの誤食が起こらないよう、調理スタッフや保育士は細心の注意を払っているが、食べた後に子どもの手に付着していたものが、食堂から帰る時に子ども同士が手を繋いで付いてしまうことがある。そこまで子どもの動きに制限をすることは難しく、対応に苦慮している。

A  コロナの感染症対策などでも思うことがあるが、病原体やアレルゲンを完全に除去したり隔離したりしようとするあまりに、子どもらしい活動の妨げになることは極力避けたいと、私自身は考えている。もちろんアレルギーが起こらないよう、できる限りの努力は必要だ。しかし、子どもの手洗いが不十分である可能性があるからと言って、その子達が一緒に遊ぶのを禁じるのはあまりに悲しいと思う。お友達と遊ぶことで、その子の常在菌をうつし合うことは自然なことで、それによって適切な免疫力が培われる。だから、アレルギーのある児の保護者には、あらかじめ「保育活動をする上でリスクは必ずある」ことをきちんと伝えておく必要があると思う。

と言ったことを、毎度のことながら大幅に脱線しつつお話しました。

保育園側の対策作りと、医療機関との連携と、保護者側の教育なども必要だなと感じました。

保育園でのびのび楽しい毎日♡

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