あなたが知らないお薬の世界

ろんだん佐賀

2月27日に寄稿したろんだん佐賀で、薬不足問題を取り上げた。

薬剤師の夫から「日医工の自主回収の対応でめちゃくちゃ大変。薬が手に入らないんだ…」と愚痴られたのがちょうど一年前。それからと言うもの、薬局から「薬が手に入らないから変更できないか」といった問い合わせが続き「一体、何が起こっているんだろう?」と思っていた。

日医工の自主回収のまとめと理由一覧表【自主回収が止まらない】
本記事では2020/04/07から始まった製薬会社日医工の大量自主回収を時系列でまとめています。どこよりも事件の概要を確認できる記事になっています。ぜひご覧ください。なお最終更新日は2021/08/17です。

先輩ドクターの勧めで、薬不足問題について精力的に取材されている小笠原理恵さんの記事で概略を掴んだ。

消えたジェネリック医薬品 | 特集 | 日刊SPA!
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また、製薬会社、医薬品卸、薬剤師、創薬分野など色々な方から話を聞いて、私の中で頭を整理していった。この問題は、色々な切り口で考えることができる問題だが「医師の私がどう考えるか」という視点で書くことに決めた。そのため、この記事は、他の立場の人が読むと到底共感しかねる内容になってしまったかもしれない。

また話が色んな分野に飛ぶので「結局何が言いたいの?」と思われるかもしれない。

ただ、私が考えてることを忠実に表現しようとしたら、このような描写になった。つまりは、当初考えていたよりも薬不足問題は複雑で闇が深いのに、意外なほど話題にならない不気味さがあり、掴みどころがないのだ。そんなモヤモヤした気持ちを新聞という媒体で発信することに、ためらいが無いと言えば嘘になるが、機会があればぜひ投げかけてみたかった私なりの問題提起である。

今まさに起こっている医薬品不足問題。解決するのには年単位の時間がかかると言われている。それに今後どのように立ち向かうべきなのか。そんなメッセージがこの読者に伝われば良いなと思っている。

2022年2月27日佐賀新聞

ちなみに記事には書かなかったが、私は日常診療で、かなり内服薬を減らすことを意識している。高齢者はポリファーマシーの方が多い。持病があるので数種類の薬を飲んでいることは一般的だが、中には20種類以上も飲んでいる人がいるので、本人や家族と相談しながら不要と判断した薬は中止していく。そしてその後病状が変化していないか、より注意して観察する。入院中に定期内服薬を半減させることも珍しくないので、「患者さんが薬に依存気味だから中止できなかった。ありがとう!」と紹介元から連絡が来たこともあった。もしかしたら内心良くは思っていない人もいるかもしれないけど、厳選した本当に必要な薬だけを飲むことを徹底すれば、医療費抑制につながると思うので、私なりに医療経済に貢献していると自負している。

ところで、この記事の冒頭で紹介したエピソードは、以前にFacebookにも投稿したことのある尊敬する先輩のエピソードだ。

この先輩は、色々とカッコイイエピソードに溢れた方だ。私には無い説得力で患者さんを励ましていた。

私もぜひ見習おうと、腹水が溜まった患者さんに「私もほら、お腹出ていますよ!」と言ったら「それは妊婦だからでしょ!産んだら引っ込むじゃない!」と逆に怒らせてしまったこともある。←完全に滑った…

自虐ネタの難しさを痛感した次第だ。

ちなみに本当にこんな風に進言したところ、「好きに髪を切っていいぞ!入局するならな!」と言われた。身体を張って私を血液内科に勧誘してくださった先輩にご縁を感じずにはいられない。

その先輩が県外で武者修行されていたが、もうすぐ佐賀にお戻りになるという噂を聞いてとても楽しみにしている。先輩にも医薬品不足問題についてお話を伺いたいところだ。

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