2年越しの再会♡

長女の美和が幼稚園のとき「通園バスで帰りたい」と言い出した。美和が1歳になったときから、産休育休以外はフルタイムで働いていた私は面食らった。今まで18時近くまで幼稚園にお世話になっていたのに、通園バスでの降園は15時である。しばらく悩んだが、長年お世話になっているベビーシッターさんが通園バスによる降園の迎えと、その後の子守を担当してくれることになり、通園バスでの帰宅が始まった。

ある日、仕事を終えて帰宅してみると長女が家に居なかった。ベビーシッターさんに聞くと、同じマンションに住むお友達の家に遊びにいったとのこと。

「え…？誰それ？」

なんと美和は私の知らないところでご近所付き合いを始めていたのだ。彼女の社交性にはいつも驚かされる。

それが同じマンションに住む、長女の一歳年上のことねちゃんと、その妹のももちゃんとの出会いだった。

ことねちゃんのお家はいつも夢のようにオモチャとお菓子があるのだと、美和はウットリして話していた。ことねちゃんのママがとっても優しくて、美和に「いつでも遊びに来て良いよ！」と声をかけてくれた。お泊まりが大好きな美和は何度も「ことねちゃんの家に泊まりに行きたい！」と言っていたが「いやいやいやいや…同じマンションなんだしギリギリまで遊べば良いでしょ。ご迷惑をかけるから遠慮しておきなさい。また翌日がお休みの日にでも相談しようね…」と話しているうちに、何とことねちゃんはお家の都合で引っ越してしまったのだった。

引越し先は福岡県糸島市だったので「その気になればいつでも会いに行けるから！」と言い聞かせていたが、私は出産後でバテやすく長時間運転はつらく、ようやく落ち着いたかと思えばコロナ禍に突入。近くといえど県境を越えるのは自粛する空気の中、美和が会いたがっても「我慢しなさい」と言う日が続いた。そのうちに美和はことねちゃんの話しをしなくなった。

先日、私がお友達と「糸島の牡蠣小屋に食べに行こう！」という話になったとき、ふと思い出して、ことねちゃんのママに「糸島に行くんだけど、遊びに行っても良い？」と連絡したら二つ返事でOK！！美和が喜ぶと思って「ことねちゃんの家に遊びに行こう！！」と言ったら一瞬表情が険しくなった。

「ことねちゃん、ずっと会っていないもん。もう遊ばないもん。」2年間も会えなかったせいで、最近悪化してきた美和の人見知りが発動して、すっかりヘソを曲げてしまっていたのだ。私はちょっと困惑したものの「ことねちゃんのママにも会いたいし、せっかくだし挨拶だけでもしに行こうかな…」と考えて、ひとまず家に向かった。

がしかし、家に着いたらことねちゃんとももちゃんが出迎えてくれた…と思ったら、あっという間に遊びだした。一瞬で2年間の空白は埋まったらしい。