我々の病院では、コロナ禍においても、可能な限り入院患者さんとご家族に面会の機会を確保するように努めてきました。
5月8日からコロナが5類相当に変更になることなどから面会方法の見直しを行いました。
これまでは
- 面会可能か判断するために面会者受付でワクチン接種済み証の確認、氏名、来院時間等を記入してもらう。
- 面会不可能者(ワクチン未接種者、中学生以下の子連れ)については受付から各病棟に連絡して洗濯物の交換をする。
- 一度に面会できる人数を各病棟10名までとし、病棟ごとの面会許可証を貸し出す。
- 一日に面会できるのは一名まで。
といったルールで運営していました。
今後の変更点として、具体的には
- 面会者の受付を撤去する(受付無しで面会可能にする)
- 各患者2枚ずつ面会許可証を配布し、退院時に返却してもらう。(面会証を紛失した時は実費を負担していただく)
- 実質、ワクチン未接種者や子どもや家族以外の友人の面会等も可能にする。
といった変更を行います。
時間制限は、今までは濃厚接触者の基準を回避するために15分程度としていましたが、これは続行します。長時間の面会は患者さんの負担になるだけでなく、同室者にとっても迷惑になる可能性があること、治療上も差し支える可能性があることから、目安の時間は必要だと考えました。
来院時間を記録するわけではないので、正確に時間を計測するわけではありませんが、あまりに長時間に及んでいると見受けられる場合は声をお掛けさせていただくようにします。
子どもの面会については、近隣の病院の面会方法を調べたら禁止しているところが多くて、随分と悩んだのですが、受付を撤去する以上「子連れで来たから洗濯物だけ交換させて」という要望に対応するスタッフがいなくなること、子ども禁止を優先するあまりに家や車やロビーに子どもを放置する事故に繋がりかねないと判断し、このような形に変えました。ちなみになぜ子どもの面会を禁止する病院が多いかと言うと、子どもは「病原体を運ぶ媒介者になりやすいこと」「大声で騒ぐ可能性が高いこと」「走り回って危ないこと」などから、総合的に判断して禁止している場合が多いです。なので子ども単独の面会は禁止(必ず保護者同伴)を徹底して見守りのもとでなら許可して良いと考えました。ただし、子どもも保護者も体調が良いことは絶対条件です。
また近隣の病院を調べた際に「来院者はナースステーションで声をかけること」というルールで運営しているところが多かったのですが、看護部に話を聞いてみると「部屋番号がわからないなどの対応はしますが(部屋を移動する場合があるので)、毎回のように業務を中断させられたら大変だし、ナースステーションを通らずに病室に行けるのに、動線上遠回りになると面会者も大変ですよね…」といった声があったため「もう完全に自由にしようか?」と提案したら、「でも、不審者が入ってきた時に区別がつかない…」といった不安の声は根強く、不審者との差別化のために面会許可証を採用しました。それも偽造が難しいように少し複雑なデザインにしました。
コロナ前の方法にいきなり戻すことは現場の不安も強く、難しかったのですが、見直ししたことにより、今まで面会をお断りさせていただいた方にも、可能な限り会っていただけるようになると考えています。
どうぞよろしくお願いします(^^)
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