災害支援、できることを!

ユニセフ

今朝の佐賀新聞の『診察室から』には災害支援について書きました。

2024年2月10日の佐賀新聞より

災害支援、できることを! 持続可能な支援活動

新年の幕開けが震災という衝撃。直後から自衛隊や自治体をはじめ、たくさんの方々が昼夜問わずに災害支援に当たっていることに頭が下がる。医療従事者も災害派遣医療チーム(DMAT)として現地入りしている方も多い。

医師になって最初の冬に東日本大震災が発生し、3月11日の夜には職場でDMATが編成された。メンバーと医薬品のみならず、ガソリン、食料等まで車に載せるので大荷物だった。メンバーには救命センターの精鋭達が選抜されたが、後に「まず現地に着くまでに相当な時間がかかり、活動する時間は限られてしまった」と聞き、災害支援の難しさを垣間見た。

今回の能登半島地震の直後から「不要不急で現地に行かないで」と注意喚起されたが、支援しようとして邪魔になっては本末転倒だ。

災害支援は現地に行くことだけではない。熊本地震の際、佐賀県が患者を受け入れたように、近隣で被害の少なかった病院が治療を請け負うのも支援だ。そして受け入れる病院のベッドを空けるための後方支援を、我々のような回復期病院には求められる。

またDMATを拠出した病院は、メンバーが抜けた穴を埋めるべくシフトを組み直すなど、他のスタッフの協力も欠かせない。

さらに被災地に医療資源を集中させるため、他の地域で医薬品などが品薄になることもある。処方薬が本当に必要か、代替薬で対応できないか、などを検討するのも間接的な支援になる。

そして支援の基本は募金!人や物を動かすよりも金を動かす方が一番経済的だ。

杉良太郎さんが長年続けている福祉活動を売名だと批判された際に「はい、売名ですよ。僕が今までやってきたこと(数十億円を自腹など)、あなたもぜひやってみてください」と言われたのに感銘を受けた。

支援する側の生活が成り立たなくなるほどの活動は続かない。杉さんレベルには遠く及ばないが、持続可能な支援を続けていきたい。

2024年2月10日の佐賀新聞より

この「自分にできる支援」というのは、東日本大震災からの私の中でのテーマです。これについて新聞投稿したのは実に7回。なので実は今回で8回目でした。

なぜこんなにしつこく書き続けるかと言うと、これも私に出来る支援の一つだと思っているから。実は最初に言ったときに「医師のくせに何もしない」と批判されました。くやしかった。でも私の中での後悔は東日本大震災について毎年書いていたのに8年目から書いていないこと。忙しさにかまけて、発信をサボっていることは私の中で気になっていたので、今回は好機だと思って書きました。

ちなみにアイキャッチ画像に三女の写真を持ってきました。

彼女は学校に行くのにすごく苦労しているのです。理由は色々ですが、いつも私の悩みの種です。でもこの巨大なポッチャマのお人形で最近乗り越えています。以前にサンタクロースからもらった人形を紛失してしまった娘。他の人形で代用していたものの、なんだか落ち着きませんでした。

三女同盟を結んで仲良しの私の妹が「なくさないように大きいポッチャマを買ってあげよう」と巨大なポッチャマを贈ってくれました!大喜びの娘は、なんと学校にもポッチャマを連れて行き、授業中は隣の席に座らせてポッチャマ用のノートまで記録して集中力UP!移動教室でも同行させて一緒に歌の練習!体育の授業ではグラウンドにも連れて行き、一緒に走った(後に娘の友達に聞いたら「ポッチャマを持った先生が伴走していた」とのこと)!など、次々に苦手を克服しています。ポッチャマ様々!すごい!

しかしポッチャマを普通に受け入れてくれる小学校の先生方には頭が下がりっぱなし。「あら、今日もポッチャマ出席ね!」と優しく迎えてくれて、学ぶことばかりです。

東日本大震災の後も、ユニセフの勉強会では子どもへのアプローチについてたくさん学びましたが、その中で「子どもが安心出来る場所を作る」という話がありました。避難所でも大人から隔離して安全に遊べるプレイルームを作る、フワフワの可愛い人形だけでなく恐竜のような怖い人形も混ぜることで子どもの感情の表出が豊かになる…などは言われてみないと気付かないことでした。

そんなことも思い出しつつ「支援って単純じゃないんだよなぁ」という思いもあって選びました。


さぁ、思い立ったが吉日!今すぐ、自分にできることを始めましょう。いきなり大金を募金しろとか言わないです。自分の生活がまず大事です。

「最近、能登どうなっているかな?」と思いを寄せることから始めましょう。

ちなみに私よく「○○に募金したら途中でお金減額しますよね?」などと批判めいたことを言われることがあります。そういう方は自分自身で調べて信頼できると思う団体に寄付なされば良いと思います。当然私も色々調べて考えて寄付しますので、各々が信頼できるところへ。あと国内災害だったら、被災者の中に知り合いがいるケースも多いので、その方に直接義援金という形で渡すのも手だと思います。私も熊本地震の時は熊本の知人に渡したりもしました。やり方は無限大なので、ご自身に合ったやり方で。

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